事務局より

事務局より 2018年

平成30年10月号

8月25日、一橋大学元学長の石弘光先生が亡くなられました。
2年余前に末期のすい臓ガンが見つかってからも、抗ガン治療中とは思えないような元気なお姿を見せて頂いていましたので、驚かれた方も多かったのではないかと思います。

先生は、学者、教育者、学長、政府税調会長など、幾つもの分野で多大な業績を残されました。
ご遺族の悲しみは如何ばかりかとお察しするとともに、石先生の謦咳に深く接することがあった方々 にとっても、その悲しみは言葉に言い尽くせないものがあるのではと拝察いたします。

私事ですが、私にとって石先生との出会いは3回あります。
最初は、私が前期に在学中の時。目を輝かせて「石ゼミの素晴らしさ」を語ってくれる部活の先輩がいました。「私も石ゼミに入りたい」と言うと、「先生は米国に留学するから、来年からゼミ生は採らないんだ」とのこと。私たちの学年は、後期専門課程の2年間がちょうど石先生の米国留学の時期と重なり、ゼミも講義も受けられませんでした。しかしこの時が、「石弘光」という名前を心に刻んだ最初でした。

石ゼミは、蓼沼現学長を始め学界のみならず、各界に錚々たる方々を輩出しています。ゼミのOB会も年次ごとに活発に開かれていました。石先生を慕う教え子の方々が如何に多いかということだと思います。

2回目の出会いは、政府税制調査会委員、そして会長としての石先生。私はテレビ局の報道番組ディレクター、プロデューサー。「財政再建」「税制改革」といった企画を立てては、先生をお訪ねし、相談に乗って頂き、そして幾つもの番組に出演をお願いしました。高度成長から成熟社会への転換点の中で、税の負担をどう考えるか。歴史の大きな流れを見通した先生の立論には説得力がありました。

そして3回目は、私が如水会事務局長を拝命した時。「えんじはいるか!」と度々事務局を訪ねて来られ、「応援しているぞ」と活を入れて頂きました。すい臓ガンと分かってからも、如水会館に度々お見えになり、親しい方々との交遊を、食事を、囲碁を楽しまれていました。

長寿社会の到来とともに、誰もがガンに罹る可能性がある時代です。最期の瞬間までどう生きるか。持ち前の体力と気力で、最期まで元気な姿を見せて下さった石先生の生き様は、私たち多くの者に勇気と希望を与えて頂いたように思います。

先生が学長を務められた平成10年から平成16年は、国立大学から国立大学法人に変わる、大きな節目の時期でした。文字通り現在の「国立大学法人一橋大学」の礎を築かれたわけです。如水会とのかかわりでも、寄附講義の「社会実践論」の立案者であり、全国各地で行う「一橋大学移動講座」の生みの親であることなど、如水会との協力を積極的に進め、一橋大学と如水会のプレゼンスの向上に力を尽くして下さいました。現在の如水会の大学支援事業の骨格を作って頂いたことになります。

ざっくばらんな大きな声と、魅力的な笑顔。厳しいけれど優しい教育者。
石弘光先生、心よりご冥福をお祈りいたします。(事務局長) 

平成30年8-9月号

7月上旬西日本を数十年に一度という豪雨が襲い、各地に甚大な被害がもたらされました。犠牲になられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災された地域の皆様に心よりのお見舞いを申し上げます。

先日、元日弁連副会長の岡村勲氏(30経・32修法)にお会いし、ゆっくりお話を伺う機会がありました。2000年1月「全国犯罪被害者の会」を立ち上げられ、全国的な運動を繰り広げ、多くの人々の賛同を得ることによって、2004年には「犯罪被害者等基本法」が成立。「犯罪被害者の権利」が確立しました。我が国刑事司法制度の大きな転換を実現された方としてご存知の方も多いことと思います。

岡村さんはこの6月に、18年に亘る犯罪被害者の会の活動に終止符を打たれました。
1997年、仕事で逆恨みした犯人によって同窓であった最愛の奥様真苗さん(34法)を殺害された時のこと、裁判の過程で犯罪被害者が一切の権利を持っていないことを思い知らされた時のこと等、今もなお時折涙を浮かべてお話しになるお姿から、岡村さんが立ち向かった壁の大きさを改めて知る思いがし、強く心を打たれました。更に、岡村さんの運動が全国的な広がりを持ち、大きな成果を上げた背景には、多くの如水会員の支援もありました。

2000年に岡村さんが『文芸春秋』に書いた「私は見た『犯罪被害者』の地獄絵」は、この運動の大きな広がりのきっかけになりましたが、岡村さんの話を聞くとすぐに文芸春秋社に連絡を取り、岡村さんを同社に紹介したのは当時東京都知事であった石原慎太郎氏(31法)でした。さらに奥田碩元理事長(30商)、髙橋宏元副理事長(31商)、宮本三喜彦元副理事長(34社)、山本千里元事務局長(31商)など如水会の会員を中心に、作家の瀬戸内寂聴氏なども発起人として加わった「犯罪被害者の会を支援するフォーラム」が結成され、精神的にも資金的にも、犯罪被害者の会を支援する強力なバックボーンになりました。

如水会の目的を定めた定款第3条は、「一橋大学の目標と使命の達成に協力し」の次に、「広く政治経済、社会文化の発展に寄与する」としています。如水会は結束が固いと言われますが、それは会員間だけの閉じられた結束ではなく、広く社会全体の発展を見据えた「開かれた結束」であることが、犯罪被害者の会の支援に間髪を入れずに動き、大きな成果を上げたことを見ても分かるように思います。これは私たち後輩にとっても大きな誇りであると同時に、こうした伝統を引き継いでいく決意を新たにしなければならないと改めて心に刻んだ次第です。(事務局長)

平成30年7月号

6月11日に、第6回定時代議員総会を開催しました。委任状による議決権の行使等を含め144名の代議員の出席を頂き、全ての議案のご承認を得ました。お忙しい中ご出席頂いた代議員の皆様には改めて御礼を申し上げます。今年の代議員総会は、改選を迎える理事・監事が25名中21名と非常に多い年でしたが、15名の再任と6名の新任を原案通り可決頂きました。

4月から春の開放講座が始まっています。5月21日開催の「ESG投資」には500名を超える申し込みを頂き、会場を急遽隣の一橋講堂に変更しての開催となりました。講師は、一橋大学経営管理研究科の花崎教授と、世界最大の年金基金運用機関であるGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の髙橋理事長にお願いしましたが、ESG投資の考え方、運用の具体例など興味尽きない、且つ分かり易い内容となりました。聴講されていた方では、30代40代の現役世代の方々が圧倒的多数を占めていたのが印象的でした。改めて持続的社会の構築に向けた取り組みに対する関心の高さを感じた次第です。

また6月7日は「ビッグデータの罠~デジタルエコノミーの光と影~」を開催しました。こちらも300人を超える申し込みを頂き、会場を3か所に分けての開催となりました。FB、アマゾン等への“データの集中”が進む中で競争政策と規制との関係をどう考えるか。また、そもそも「データの価値」とは何か等、こちらも興味尽きない講演会となりました。

平成16年に設立され、平成19年から募金キャンペーンを開始した「一橋大学基金」に寄せられた寄附総額が、4月末で遂に100億円を超えました。如水会も平成18年に「募金支援会」を立ち上げ、江頭邦雄会長(37経)、奥田碩会長(30商)を先頭に、如水会を挙げて募金キャンペーンを展開したことは、皆様よくご存じの所です。66億円余の寄附申し込みを頂いた平成26年にキャンペーンは終了しましたが、その後4年余りで約34億円の寄附が寄せられたものです。キャンペーンの中心になられた諸先輩、並びにキャンペーン終了後も地道な募金活動を続けてこられた二人の基金の担当者、関根(52商)、中田(52法)両学長特別補佐の努力に、改めて甚大なる敬意を表したいと思います。

寄附を寄せて頂いた卒業生の全卒業生に占める割合は約23%と見積もられています。この数字は、同様の募金活動を行っている他のどの大学と比較しても飛びぬけて高い数字で、一橋大学卒業生たちの「愛校心の高さ」の証明でもあります。これまで寄附を頂いた多くの如水会員、一橋大学卒業生の皆様へ心からの御礼を申し上げたいと思います。(事務局長)

平成30年6月号

好天に恵まれた大型連休の4月29日、戸田ボートコースで恒例の東商戦(第70回東京大学・一橋大学対校競漕大会)が開催されました。対校戦のハイライト「対校エイト」では、口絵でもご紹介していますように、一橋大学が見事10連覇を達成しました。

レースは、スタート直後から一橋がリードを拡げ、終盤コース内に密生した藻が舵に絡まり、一瞬ひやりとさせられる場面もありましたが、それまでのリードが生き、勝利を収めました。この対校戦では、過去東大の8連覇が最高で、毎年選手が入れ替わっていく学生スポーツの世界での10連覇の達成は、偉業と言ってもよい快挙です。

エイトを含む対校戦全4種目でも、昨年、今年とも一橋が全勝しました。これは一部のエイトのメンバーの力だけが抜きんでているのではなく、ボート部全体の力が、近年東大を圧倒していることを示しています。その陰には選手の皆さんの努力はもちろん、部長、コーチ、マネージャーを始め選手たちを支える先輩諸氏も含めた皆さんの、膨大な努力の積み重ねがあります。改めて関係者の皆さんの努力に、大いなる敬意を表したいと思います。

東商戦の歴史は、明治20年の東京高商と一高との対校レースに遡ります。その後も伝統的に行われていましたが、流血惨事が起こるほど過熱したため中止になりました。戦後両校のОBの飲み会で再開催の話が持ち上がり、昭和24年に第1回が隅田川のコースで開催されました。第3回は、ケンブリッジ・オックスフォード対校レースと同様の6840mで争われ、現在は2000mで争われています。

しかしエイトの通算対戦成績は、一橋の27勝42敗と未だ大きく負け越しています。関係者の方々からは、「まず五分の星に」、あるいは「夢を大きく持って、全日本優勝を」など、勝利に浮かれることなく、次の目標に向かう言葉が聞かれます。

先月号の本誌「橋畔随想」では、リオ五輪に出場した中野紘志氏(平23商)が、東京五輪に向けた決意を披瀝していました。荒川龍太氏(平29法・NTT東日本)も東京五輪出場を目指しています。OBも含めた一橋大端艇部の皆さんの一層の活躍を期待したいと思います。

さらに、端艇部とОB・OG会の「四神会」では、「10連覇記念ビール」を作ることになりました。如水会員が経営する川越市のCOEDOクラフトビール醸造所が製造します。

6月1日から如水会館や、14階の一橋クラブ、3階のビアガーデンなどでもお楽しみいただけるようにします。また、会員の皆様のご自宅への配送も端艇部で受け付けます。この機会にぜひ皆様も「10連覇ビール」で祝杯を挙げ、共に10連覇の快挙を祝っていただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。                      (事務局長)

平成30年5月号

新年度がスタートしました。会員の皆様も新たな目標に向けての一歩を踏み出されていることと思います。
今月号の「母校キャンパス便り」にも触れられていますが、昨年の1月から始まった「一橋大学古本募金」が1年を経過し、古本からの収益金は132万円に上りました。これは如水会事務局の後押しを受けて大学附属図書館が導入を決めたものですが、同様に古本募金に取り組んでいる規模の大きな国立大学、有力私立大学等に伍して7番目に多い金額ということです。

古本を入れるボックスは、大学附属図書館、大学生協、如水会事務局、如水会ビル図書閲覧室等に設置していますが、大半は会員各位が直接提携会社に連絡をして、自宅から出された古本です。金額ベースでは80%を占めています。特に60歳から80歳の会員の貢献が大きいとのことです。改めて会員の皆様のご協力に感謝するとともに、そのパワーに感心しています。

私自身、読んだ本をなかなか手放せないタイプの人間ですが、次代の後輩たちの役に立つというのは、古本を処分する時の大きなインセンティブになるような気がしています。今年も是非皆様の古本の提供をお願い致します。

本で言えば、傘寿を迎えられた皆様からの寄附を基にした「傘寿記念基金文庫」があります。3年前に始まり、昨年度末までで178名の方から、総額1000万円を超えるご寄附を頂いています。普段一橋大学附属図書館では購入が難しい小説や教養書など、学生諸君の人間的な幅を広げるのに役立つような書籍を購入しています。芥川賞、直木賞全受賞作、大宅壮一ノンフィクション賞全受賞作を始め、一年も経てば忘れられてしまうような本ではなく、時代を経ても読み継がれていくような本を選んでいます。学生諸君も、思ったより多くの方が利用しています。大学附属図書館の一階に開架式の書架が設けてあります。是非一度お出かけください。

この「傘寿記念基金」による支援に、昨年から電子書籍・雑誌、データベースの購入を付け加えました。
近年、世界各国の主要な新聞・雑誌や学術誌を電子版で読むことが可能になっています。また、専門分野の辞典、叢書などのデータベースも充実してきています。世界最先端の学術の状況をいち早く把握するという意味でも、第一線の研究には欠かせないものの一つになりつつあります。

しかし一方、こうした「便利なツール」には少なからぬコストがかかります。大学附属図書館の予算は年々削減されており、残念ながら大学の予算では賄いきれないというのが実情のようです。 一橋大学は「世界最高水準の研究・教育拠点」を目指しています。それを確かなものにするインフラとも言える「知の基盤」作りには、これからも出来るだけの支援をしていきたいと考えています。                  (事務局長)

平成30年4月号

新しい平成30年度が始まりました。国立のキャンパスも希望に燃えた新入生の姿がそこかしこに見られます。

年一度の「如水会支部長総会」を、今年は3月11日に横浜で開催しました。これまで2年間如水会館で開催していましたが、「東京を出よう」という掛け声のもと、今年は横浜支部の皆さんの多大な協力を得て、横浜開催の運びとなったものです。国内58、海外1の計59支部の代表者が集まりました。今年のテーマは、「若手の参加と他大学との交流」。事前の各支部のアンケート結果に加えて、活発な議論が行われました。昨年は「地方からの入学者を増やすには?」をテーマとしましたが、この1年、昨年の支部長総会での議論が少しずつ形になり始めているように思います。

昨年秋の大阪での合同移動講座では、大阪支部の皆さんの絶大なる努力の結果、関西圏の高校生に呼び掛けた如水会主催の「一橋大学の話をしよう」の企画になんと50名を超える高校生、並びに保護者の方々にお集まりいただくことが出来ました。この企画では関西圏出身の一橋生8名の協力を得て、高校や予備校などでは得られない「生の一橋ライフ」を一橋大学受験を考えている高校生たちに直接伝えることを狙いにしました。これまでも移動講座、合同移動講座の機会にこうした企画を行ってきましたが、少しずつノウハウが蓄積され、成果となって表れてきています。大阪支部では、「一回でやめてしまうのは惜しい」と今年も6月に、関西圏の高校生に向けた一橋大学の魅力を伝えるイベントを準備しています。

また仙台支部では、3月15日に、今年合格した仙台出身の学生を招待した祝賀会を開催。併せて、支部の皆さんの発案で、来年以降一橋受験を考えている高校生に一橋大学の魅力を伝えるイベント「一橋紹介セミナー」を開催しました。高校生11名の他、仙台一高の校長、塾講師など今年合格した新入生7名と合わせ総勢25名が参加し、大学からも中野副学長にご参加頂きました。

一橋大学は、この数年東京・神奈川・千葉・埼玉4都県の高校からの入学者が全体の約70%を占めています。東大、早大、慶大等どこも首都圏化が進んでいますが、一橋は首都圏化が最も急速に進行している大学でもあります。その原因は様々なものが考えられますし、対策も一様ではないと思います。しかしご紹介したような、一つ一つは派手ではなくても、各地の先輩諸氏の思いのこもった取り組みの拡大は、必ずや近い将来の成果に繋がっていくことでしょう。

大学の盛衰は、「ヒト」で決まります。海外からの留学生を含め、日本全国各地の「多様なバックグラウンドを持つ俊英たちが集う一橋大学」の実現に向けて、如水会もまた、力を注いでいきたいと思います。     (事務局長)

平成30年3月号

今年の冬は、殊のほか寒い日が続きました。北陸東北の豪雪も大変だったようですし、関東地方でも最高気温が10度に満たない日が半月以上も続きました。皆様お変わりなくお過ごしでしょうか。

如水会各支部の代表が一堂に会する「支部長総会」を、今年は3月11日に横浜で開催します。一昨年14年ぶりに再開してから如水会館で開催してきましたが、東京以外の支部の所在地で開催してみようと、横浜開催に踏み切ったものです。海外を含めた支部の活動は、如水会活動の基盤です。今年も活発な意見交換が行われるものと期待しています。

間もなく新年度を迎えます。この2年如水会の「対処すべき課題」の筆頭であった如水会ビルの空室が、漸くこの4月に全て解消する運びとなりました。最大時には2・5フロアの空室を抱えており、昨年の段階で残り1フロアとなっていたものですが、事務局職員の努力が実を結ぶ結果となりました。

現在の如水会ビルは、昭和57年(1982年)に竣工し、今年で築36年になります。選りすぐりの資材を随所に使い、意匠にも凝った造りの素晴らしい建物です。またこれまで必要なメンテナンスは、適切に施してきています。

しかし、オフィスビルという視点で見たとき、時代の変化に合わせた対応が必要な個所が幾つもあることも、この2年で明らかになりました。セキュリティ機能の強化、LED化、女性の社会進出に合わせた女性洗面所の拡充等などです。

オフィス部門からの収入は、如水会全体収入の過半を占めます。大学という存在が、永遠に存続することを前提にしているとすれば、同窓会もまた「永遠」に存続することを前提に考えていかなければなりません。今後も変わらぬ十全な如水会活動を保証していくために、先人が残してくれた如水会ビルという貴重な財産の価値を引き続き維持していくことは、極めて重要なことだと考えています。そうした観点から、今後何年かかけて手を入れていくことに努めたいと思います。

同様に如水会ビル1~3階部分の「如水会館」の宴会、食堂部門から上がる収入は全体の2割強を占めています。現在、東京會舘の本館の建て替えが行われており、いわば振替え需要ともいえる売り上げ増が続いていましたが、東京會舘新本館のオープンは来年1月に予定されており、この〝特需〟も今年一杯で終わると予想されます。

こちらも如水会全体にとっての重要な収入源です。ホールや宴会場の内装や調度品の中には、前回の更新から10年以上経過したものもあり、更新すべき部分は更新を図って、如水会館に新たな魅力を付け加えることに注力していきたいと考えています。皆様の一層のご利用もお待ちしています。 (事務局長)

平成30年2月号

戌年の相場格言は「笑う」だそうですが、今年の幕開けは、その格言通りということなのでしょうか、日米とも株高で始まりました。しかし一方で、北朝鮮を始めとする東アジアの国際関係は、なかなか予測のつかないトランプ米大統領の言動と相まって、予断を許しません。この1年がどんな年になるのか。笑って終われる戌年となることを願いたいと思います。

本文中でもご報告をしていますが、今年の如水会員新年会は1月10日に開催され、多くの皆様にお出でいただくことが出来ました。また、関西も支部共催の新年賀詞交歓会が14日に行われ、こちらも140名を超える会員が集い、大盛況でした。1月から2月にかけては、海外を含め各地で、如水会支部の新年会が開かれています。

事務局では毎年春に、今年数えで百歳を迎えられる会員をお訪ねし、祝意をお伝えするとともに記念品をお渡ししています。今年は1919年(大正8年)生まれの方が該当しますが、事務局調べでは、昭和15年専門部卒から昭和26年卒の方まで、13人おいでになります。その中心は昨年と同様、卒業と同時に兵役につき、生還された方々。戦争の時代を生き抜き、戦後の高度経済成長を牽引された方々ということになります。心よりお喜びを申し上げます。

2月20日から始まる一橋フォーラム21は「検証 日本の政治~“安倍一強”時代を考える~」と題して、日本の政治を取り上げることとしました。昨秋に行われた総選挙は、野党が自滅。〝安倍自民党圧勝〟の結果となりました。安倍総理は、2012年の政権復帰以降国政選挙5連勝。今秋の自民党大会で三選を果たし、長期政権を窺う勢いです。憲法改正もいよいよ具体的なスケジュールに上ってくることになるでしょう。
安倍自民党の強さの源泉は何か、安倍政治の本質とは、そして対抗軸の可能性、メディアの役割など、政権中枢のキーパーソンと論客の皆様に分析していただきます。

先月号でも触れましたが、今年は明治維新150年ということで、春の一橋フォーラム21は明治維新関連の企画にしたいと考えています。
非欧米諸国で唯一独力で近代化を成し遂げた日本は、世界史の奇跡とも言われます。また、この150年のちょうど中間に太平洋戦争が位置します。明治維新から始まった日本の近代化とは何だったのか。今日の視点で、もう一度考え直してみようという狙いです。
急速な近代化は、なぜ可能だったのでしょうか。また〝和魂洋才〟とは。など、日頃の不勉強を反省しつつ、関連文献などを読みながら、あれこれ頭を巡らせているところです。皆様に興味を持っていただけるような企画にしたいと考えています。ご期待ください。 (事務局長)

平成30年1月号

明けましておめでとうございます。会員の皆様も希望に満ちた新しい年をお迎えになられたことと思います。如水会事務局も、気持ちを新たに業務に取り組みます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

今年は明治維新から150年の年になります。全国各地で様々な催事が計画されているようですが、如水会も春の移動講座を鹿児島で5月20日(日)に開催することとしました。建学の祖森有礼の出身地でもあります。会員の皆様もこの機会に鹿児島に足を延ばされては如何でしょうか。

明治維新にちなんでということではないのですが、新年号の本誌の表紙は若き日の渋沢栄一翁です。昨年は、幕末の慶応3年(1867年)、徳川慶喜の弟昭武に随行して当時27歳の栄一が渡仏して、パリ万博を訪れた年から150年目に当たっていました。東京・王子の渋沢史料館では昨秋、「渋沢栄一、パリ万国博覧会へ行く」という企画展が開かれていました。栄一はパリ万博見学の後も、欧州各地を歴訪しています。明治維新をまたいで、明治元年11月に帰国するまでの約1年半、その後「日本資本主義の父」と言われるようになる渋沢栄一の礎が形作られたのでした。

本誌の表紙は、これまで一橋大学キャンパスの様々な写真シリーズを続けてきましたが、今年の新年号からしばらく渋沢栄一記念財団のご協力を得て、渋沢栄一に纏わる写真資料などのシリーズとしたいと考えています。ご期待ください。

また、本文の中でご紹介していますように、昨秋11月11日の栄一翁の命日には谷中霊園の墓所にお花を供え、何人かの会員の方々と一緒にお参りをしてきました。これまで如水会としては、栄一翁の命日に特段のことはしていませんでしたが、これからは毎年お花を供えに行きたいと考えています。

新年号のインタビューは、石弘光元学長にお願いをしました。一昨年の6月にすい臓がんが見つかってから約1年半。末期がんと闘っておられるとは思えないようなお元気さです。如水会館にもしばしばお見えになり、食事も他の方々と変わりなく取られているお姿を拝見すると、「本当に闘病中ですか」と伺いたくなります。しかしお話を伺うと、それは先生の類まれな「気力」と「体力」のなせる業ということが分かります。常人にはなかなか真似のできないことと思う一方、長寿社会の到来とともに誰もが経験する可能性のある病との闘いに、勇気を与えて頂いているという思いも強く受けました。

また、現下の日本の財政状況に対するお話も心に響きました。日本のこれからを誰が責任を持って運営していくのか。問われているのは政治家だけではなく、国民一人一人なのだと改めて感じた次第です。

(事務局長)

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