事務局より

事務局通信 2017年

平成29年12月号

 5年に一度の中国共産党大会が、この秋開催されました。二期目に臨む習近平総書記の政権基盤が一層強固になったというのが一致した評価の様です。

  私たち人類はいま様々な課題に直面していますが、日本にとって、また全世界にとっても、今世紀最も大きな課題の一つは、「中国」と言っていいでしょう。今世紀半ばの2049年に中国は、「建国百年」を迎えます。経済的にも、軍事的にも米国に匹敵する、或いは米国を凌ぐ超大国になっている可能性も否定できません。好むと好まざるとに係わらず、世界は中国との関係に正面から向き合わざるを得ないと思います。その中で、気になることが二つあります。

その一つは、一橋大学からの中国(本土)への交換留学生の数がこの数年非常に少ないということです。一橋大学と交換留学協定を結んでいる中国の大学は、北京大学、清華大学など超一流の大学ばかりですが、今年度派遣可能枠13に対して、留学した学生は2名、昨年は1名に留まりました。親御さんが大気汚染を心配して許さないとも言われますし、日中関係の悪化が影響しているとも言われます。一方、中国からは今年度約200人の留学生が一橋大学に来ています。

一年間の留学は、その国の文化や国民性、国情等を知る上で多くのものをもたらしてくれます。そこで生まれた人的ネットワークと共に、それは20年後、30年後の両国の関係に計り知れないほど大きな影響を与えてくれます。国家間の関係は、互いを良く知る人がどれだけいるかに掛っています。現在の多くの若者の交流は、将来の両国関係を確かなものにしてくれるはずです。21世紀中葉の日中関係を考えるとき、もっともっと多くの若人が海を渡り、中国本土の大学で学んできて欲しいと願うものです。

もう一つは、一橋大学の「中国交流センター」です。一橋大学は、国立大学が法人化された2004年に、大学初の海外拠点として「一橋大学北京事務所」を設立しました。国立大学法人初の中期計画の目玉事業の一つとして、石学長(当時)の肝いりで作られたものです。日中学術交流の拠点として、また両国間の交流の一層の促進を狙いとして設立されましたが、2010年に「中国交流センター」に再編、そして昨年度からは年間予算が大幅に削減され、体制、予算とも大幅に縮小されました。現在は、関係者の献身的な働きで、活動が維持されているという状況に陥っています。

現状を見かねた如水会北京支部OB会の皆さんが、大学基金の中に寄附の受け皿を設け、「OBが支援しよう」と呼びかけています。ご賛同の方がおいででしたら、少額でもいいと思います。お志をお寄せいただければと思います。

日中国交正常化に大きな役割を果たした故大平総理大臣を思い起こすまでもなく、一橋大学は中国研究や中国との貿易に大きな足跡を残してきた何人もの先人をもちます。
「中国」が今世紀最大のテーマの一つとするなら、社会科学の雄を自認する一橋大学として、「中国研究」を大きな柱の一つに位置付け、「中国のことを学びたければ、一橋大学へ行け」と世界中から言われるような研究・教育拠点化を目指すことも選択肢の一つとなるでしょう。社会科学の総合大学として、これからの社会にどんな貢献を果たすことができるのか。これからも、考えていきたいと思います。

(事務局長)

平成29年11月号

先月号の「部活動の今昔」で、ラフティング部ストローム会をご紹介しました。そのラフティング競技の今年の世界選手権は10月6~9日に四国の吉野川で行われ、23歳以下の男子ジュニアの部に日本代表として出場した一橋大学チームは、堂々4位入賞を果たしました。

これまでも2014年と2015年の世界選手権で3位入賞を果たしている「強豪」の一橋大学としては当然の結果とも言えますが、日本代表となり、世界の舞台で常に入賞を狙えるレベルを維持するのは並大抵の努力ではありません。改めてラフティング部の皆さんに、大きな拍手を送りたいと思います。

このところ体育会系運動部各部の活躍が目立つように思います。アメフト、サッカー、男子ラクロス、女子アーチェリーなど一部リーグに所属する部が幾つもあります。端艇部は商東戦9連覇を達成しています。

現在一橋大学では、入学した新入生の約4割が体育会系運動部に所属します。かつてのように「運動部の練習に明け暮れ、ほとんど授業に出なくても卒業できた」時代とは違い、学業と部活の両立がずっと厳しくなっているにも拘らず多くの学生が運動部に所属し、立派な成績を収めていることは、驚くべきことです。

学生諸君をサポートする教職員の皆さんの努力と共に、OBOG会の皆さんの努力にも敬意を表したいと思います。一方如水会では、6年前から「体育会OBOG連絡会」を開催しています。体育会各部のOBOG会が一堂に集まり、各部の課題や悩み等の情報を交換することによって、少しでも現役学生へのサポートを充実させることが出来ればという趣旨で始めたものです。

連絡会の会合を重ねるにしたがって、一橋大学後援会を通じた金銭的支援の仕組みの確立、コーチや指導者の選任、学生の怪我対策、就職支援活動、父母会への対応等についての意見交換や情報交換が行われ、学生の活動に対する多角的な支援の仕組みが整備されつつあるように思います。こうしたOBOG会の後方支援も、学生諸君の好成績の一因と言っていいでしょう。

とはいえ運動部を取り巻く環境が万全であるわけではありません。グラウンドの人工芝化、トレーニング施設の充実など、まだまだ改善を要する課題が幾つもあります。大学側にも、もう一段の努力をお願いしたいと思います。

長い人生を生き抜いていく「体力」や「人間力」を身に付けるという意味で、部活からは限りなく大きなものが得られます。文字通り「文武両道」を実現していくことで「明日のキャプテンズ・オブ・インダストリー」が一人でも多く生まれることを願ってやみません。

平成29年10月号

秋本番になりました。如水会も秋の行事が目白押しの季節に入っています。一橋フォーラム21はこの秋、久しぶりに芸術をテーマに取り上げました。題して「魅惑の世紀末」。19世紀末から20世紀初頭にかけて活躍した5人の芸術家、サティ(音楽)、クリムト(絵画)、ガウディ(建築)、ロダン(彫刻)、ガレ(工芸)に焦点を当て、今なお輝きを放つ作品群と魅力溢れる人となりを楽しんでいただきます。特に11月1日(水)の第1回は、サティ演奏の第一人者のピアニスト高橋アキさんのピアノ演奏付きの講演会となります。ご期待ください。

また10月10日(火)の開放講座は「日本の酒 世界を行く」で、サントリーHDの新浪社長の講演です。注目の「指定国立大学」については、10月18日(水)に文科省大臣補佐官の鈴木寛氏による講演会「社会科学を考える~一橋大学に望むこと~」を開催します。一橋大学は、現在指定国立大学への再チャレンジに向けて作業を続けていますが、「今何が求められているのか」について忌憚のないお話が伺えるのではないかと思います。

さらに東京工業大学との合同移動講座を、11月23日(木・祝)に大阪で開催します。松本前理事長がこの5月関西経済連合会会長にご就任された中での開催となり、基調講演は松本関経連会長の「LOOK WEST~関西発の創造戦略~」。勃興する西方(アジア地域)に視点を定めた日本の再生戦略です。皆様のご参加をお待ちしています。

11月11日(土)は、渋沢栄一翁の命日になります。今年は没後86年に当たります。墓所は、東京台東区の谷中霊園(乙11号1側)にあります。これまで如水会事務局として、命日に特に墓参などは行っていませんでしたが、今年は如水会を代表してお参りをさせて頂こうと考えています。東京都谷中霊園(JR山手線日暮里駅下車)の霊園事務所の脇にある花屋「ふじむらや」に午前11時に集合し、墓参します。お時間のある方は是非お出で下さい。

また、如水会館14階「一橋クラブ」バーラウンジ奥の一角を、新しい楽しみ方を見つけて頂けるようなコーナーにしようと、今事務局では知恵を絞っています。この区切られた一角を「少し洒落た雰囲気で」、「東京會舘が最も得意とするメニューを」、「廉価で楽しむ」憩いのスペースにします。10月中にもオープンさせたいと思います。ご期待ください。

事務局には10月1日、新しい仲間が加わりました。二見淳子さん(平7社)と長澤祥子さんです。二見さんは應援部出身。長澤さんは、ご主人周平さんが一橋大学出身(平20商)です。どうぞよろしくお願いいたします。(事務局長)

平成29年8-9月号

4月号のこの欄でも触れた「指定国立大学」の選考結果が、文科省から発表されました。「指定校」に選ばれたのは、東大、京大、東北大の3校。残念ながら一橋大、東工大、阪大、名大は、「落選」でした。もっとも4校は「指定候補」とされ、今年度中に行われる第二次選抜のチャンスが与えられています。

「指定国立大学」とは、世界最高峰の諸大学と肩を並べられる大学を、少数精鋭で育てようというものです。少子化、国家財政の窮迫等、文教関係予算が縮小される流れの中、「やがて真の意味での国立大学は、指定校だけになり、国立大学の二極化が進む」とも言われています。「やっぱり社会科学系は、不利だ」との声も聞こえてきそうですが、自らの出自を嘆いていても前進はありません。母校の先達たちは、出自の特色を生かし、時には不利な情勢を跳ね返し、今日の名声と実績を築き上げてきました。

文科省に提出された一橋大学の申請書は公表されていませんが、独自に入手した資料を読むと、残念ながら物足りなさが否めません。一橋大学は候補校7校の内唯一の社会科学系大学でした。社会科学の大学ならではの哲学・歴史学・法学・経済学・社会学…といった社会科学の諸学問の豊富な学識に基づいた「人類社会が直面する諸課題に対する深い洞察と鋭い問題意識、課題解決に対する強い意志」といったものが全く感じられません。

学長は「学内の総力を挙げて作成した」としていますが、教授会で議論されることもなく、ほとんどの先生方は、申請までどのような内容のものなのか全く知らなかったということのようです。昨年秋に沼上副学長を中心にプロジェクトが立ち上がりましたが、沼上副学長とその周辺の限られたメンバーで書いたものというのが本当のところでしょう。それは、タイトル以下「知識創造」「イノベーション」といった商学部用語ばかりが目立つことからも、容易に想像がつきます。

文科省は今回「指定候補」に回った4校に、いわば再チャレンジに向けてのコメントを出していますが、一橋大学には「社会科学分野のリーダーとして、社会問題の解決に何が出来るか整理が必要」と伝えてきていると言われています。 また申請書には、「同窓会」「如水会」という文字が見当たりません。申請書では、一橋大学の強みとして、基金の寄付総額89億円を挙げています。これは如水会が奥田元理事長をトップに「支援会」を立ち上げ、数多くの先輩方の努力の結集によって集められたものですが、如水会の記述はありません。不思議なことですが申請書は逆に、沼上副学長自らが代表理事を務める「一橋大学コラボレーションセンター」の具体名を挙げ、数億円の寄付の実績を強調しています。

これには指定国立大学の財政基盤を特に重要視している文科省も驚いたことでしょう。先の文科省のコメントは、一番多くの行を割いて、「同窓会の強力な後押しがあり、同窓会との関係がどこよりも進んでいる一橋大学として、同窓会との関係性構築の取り組みが必要」と指摘していると伝えられています。

社会科学総合大学の雄として、本当の意味での「学内の叡智の結集」をはかり、再チャレンジに臨む体制を作れるかどうか。いま大学は、140年超の歴史の中で非常に重要な岐路に立たされていると言えるでしょう。

(事務局長)

平成29年7月号

6月12日に、代議員総会を開催しました。今回は定款の一部変更があり、議決には代議員総数の3分の2を超える方の出席が必要でしたが、委任状による議決権の行使等を含め180名の出席を頂き、予定通り全ての案件のご承認を得ました。忙しい中出席いただいた代議員の皆様には改めて御礼を申し上げます。

今年は如水会が一般社団法人化して5回目の総会でした。昨年まで出席代議員数は、毎年少しずつ減少してきていました。一般社団法人化当初の高揚感が少し薄れたせいかもしれませんが、やはり帰属意識の強い先輩方が高齢化し、若い層の出席が補うに至っていないことが大きいように思います。平成卒の代議員は82名ですが、委任状提出を含め出席は63名に留まりました。日頃如水会の活動に接する機会が少ない若い世代に、如水会活動を知ってもらう良い機会と思い、総会では事業報告を少し丁寧にご説明しました。十分伝えられたかどうか分かりませんが、今後ともこうした丁寧なアプローチを心がけていきたいと考えています。代議員総会では、新理事・監事の選出も頂きました。大枝宏之さん(55経)、中野聡副学長(58法・平2博社)、高原明子さん(平3経)、山本統一さん(62社)の4名です。

春の「一橋フォーラム21・マネー」のシリーズが、先日から始まりました。異次元緩和にも拘わらず、どうして物価は上がらないのか、借りた方が利子をもらえるマイナス金利時代とは、など何十年も前に経済学を学んだ人間にはよくわからないことが多い時代です。第1回の講演は元日銀の岩村充早大教授でしたが、問題意識の根底には「経済の成長を前提とする時代は、終わりを告げたのかもしれない」という大きな歴史的視点がありました。中央銀行システムは19世紀のイングランド銀行に始まりますが、それは成長経済を前提としたシステムであり、成長のない、或いは縮小する経済の時代に機能するかどうかはまだ試されていないのです。ヘリコプターマネーの可能性や、ノーベル賞を受賞したシムズ教授の「物価水準の財政理論」の有効性まで、刺激に満ちた内容でした。格差の問題も大きく、我々は「経済さえ良くなれば、格差は解消出来る」と考えがちですが、経済が好調なアメリカで格差が広がり、トランプ大統領の選出に繋がったのは何故かという問いも鋭いものでした。資本は瞬時に国境を越える一方、労働力は容易に国境を越えられない状況の中で、現代資本主義のシステムは格差を解決する手段を持ちうるのか。資本主義の根本まで考えさせられる講演となりました。

7月19日の最終回は、野口悠紀雄先生に、「仮想通貨」の可能性とその意味を語っていただきます。ご期待下さい。

(事務局長)

 平成29年6月号

如水会の会員数は、現在約3万4千人です。如水会は他に類がない入会率を誇る同窓会と言われますが、最近5~6年では大学卒業時点で、75~80%の卒業生が入会してくれています。

会員の方々の卒年、学部、ゼミや現住所、所属などの「会員情報」は、同窓会組織の根幹をなすデータベースです。かつて如水会では3年に一度「会員名簿」を発行していましたが、平成5年から電子化してデータベースに記録、保存し、会員はホームページ上で検索できるようになりました。会費の徴収、会報の送付などを始め、支部、年度会、同好会などの名簿作成の支援、各種催し物のご案内などに幅広く利用されています。また現役学生にとっては、就職活動に際してホームページ経由で、志望する就職先に在籍する先輩の連絡先を知る貴重な手段としても重宝されています。

現在のシステムは、9年前に導入したIBM社製ですが、ソフトの保守サービスは4年前に切れ、ハードの保守サービスもあと4年と、更新の時期を迎えています。またシステム導入当初の重点が「記録する」ことに置かれていたため、「いかに効率的な作業を実現するか」、「どう利用するか」という視点が欠けていたという問題も抱えていました。

デジタル情報環境はこの20年、検索機能、処理速度を始めとして飛躍的な進化を遂げています。同時に情報セキュリティの確保も、一層重要度を増しています。

今回の会員情報システムの更新に当たっては、こうした情報環境の変化を踏まえ、単に現行システムのハードの更新ではなく、新しい時代の、新しいニーズに応える情報システムの構築を図りたいと考えています。基本的考え方は、①ハード、ソフト共に万全のセキュリティが確保されること、②日々情報の更新作業が繰り返されることから、より効率的な作業が実現できるシステムであること、③様々な如水会活動、並びに会員のニーズに有効活用する為、分かり易く、使い易いシステムであること、です。今年度一年をかけて検討を行い、30年度中には新システムの導入を行いたいと考えています。

もう一つ、会員の異動調査の方法も、今年度から変更を行います。これまで会員の皆様の一斉異動調査は3年に一度、秋に実施しておりましたが、これを会員の5分の1ずつの方を対象に、毎年異動調査を実施していくこととしました。皆様にとっては5年に一度異動調査が行われるということになります。今年秋から始めます。常に最新の情報に更新されていることが、如水会及び会員の皆様にとって肝要です。異動調査の対象になりました会員の方々のご協力をお願いする次第です。

(事務局長)

 

平成29年5月号

今年の桜は、満開まで長く楽しむことができました。国立の大学通りの並木も、4月中旬過ぎまで見事な桜を楽しませてくれました。今年の新入生の胸にはきっと、大学通りの見事な桜が生涯の記憶として刻み込まれたことと思います。

3月末に国立・国分寺支部の角田昭治氏(37社)から連絡を頂き、氏と共に澤田浩氏(28経)を訪ねました。同席したのは国立市の政策経営課長。お話は旧国立駅舎保存問題でした。もう10数年前に遡りますが、JR中央線の高架化工事に伴い長く親しまれてきた「大きな三角屋根の国立駅舎」が取り壊されることになりました。市民を中心にした保存運動が起こり、如水会もその保存に大きな役割を果たしました。当時国立には如水会の支部がなく、国立は国分寺支部の一部でしたが、石原一子氏(27学)や澤田氏、支部長だった高尾雄彦氏(32商)等の支部の会員、そして江頭元理事長、関前事務局長等多くの方々の尽力がありました。その顛末については、本誌の平成20年4月号に澤田氏が寄稿されています。

旧国立駅舎は、平成18年に「駅舎は解体。部材は全て保存」と決まりました。その後国立市の予算の目途が立たないこと等を理由に、再築プランは長く宙に浮いた形になっていましたが、このほどようやく再築の目途が立ったというお話でした。

再築には11億円強が必要ですが、国庫補助と国立市での予算措置が決まり、JRと土地の取得契約も締結したとのことです。再築予定地は、旧駅舎とほぼ同じ位置で、大学の方から見て現在の入り口の左横の場所になります。大学通りの正面に、国立のシンボルとして再築されるというわけです。国立市は来年度中の再築を目指し、文化財として国立市の歴史の展示等の活用を考えています。旧駅舎の保存には、これまで市民、国立在住の如水会員等多くの方からの寄付が寄せられていますが、市では改めて6000万円ほどの寄付を集められればとしています。如水会としても過去の経緯も含め、こうしたことにも協力していきたいと考えています。詳細が決まりましたところで、皆様にも改めてお知らせさせて頂きます。

4月は、今年数えで百歳を迎えられた会員の方々の長寿を祝して、お宅をお伺いさせて頂く月です。訪問記は本誌6月号に掲載しますが、白寿を迎えられる会員は年々増加しており、今年は13人。皆様すべてとお会いできるというわけではありませんが、心身ともに健康な方の多いことに改めて驚かされます。長寿の秘訣を必ず伺うようにしていますが、「良く食べる」「何にでも好奇心を忘れない」「若い時働き過ぎない」が3大秘訣でしょうか。皆様のご参考に。(事務局長)

平成29年4月号

新年を迎えたと思ったら、あっという間に桜の季節が到来しました。
今年度、大学は大きな節目を迎えます。まず4月から、これまでの夏冬の2学期が「4学期制」に変更されます。欧米諸大学の学期制に合わせ、留学に行きやすくすること等が狙いですが、長年慣れ親しんだ学期制の変更は、学生のみならず教職員にも大きな影響を与えることになります。

また文科省はこの秋にも、世界のトップクラスの大学と伍していける大学を育てようという狙いで、全国の国立大学法人の中から5校を「指定国立大学」として選び出そうとしています。指定された大学は、国立大学法人を縛っている様々な規制が緩和され、大学強化のための自由度を高めることができます。この制度にエントリーできるのは、既に一定の水準にある大学に限られます。選出されれば、世界最高水準の大学を目指すスタートラインに立つ資格が得られるということになりますが、良いことばかりではありません。規制が緩和される代わりに、文科省からの運営費交付金は減額され、自ら必要な資金の調達に努めなければなりません。いわば、独り立ちして世界を目指せということになるわけです。一橋大学も手を挙げています。選ばれるか、選ばれないか、大学の将来に大きな影響を与える正念場です。選ばれたとしても、自立して生きていかなければならないという意味で、さらに真の試練が待ち構えているということでもあります。

如水会も、新しい事業年度に入りました。昨年来続いているオフィスフロアの空室の解消が喫緊の課題です。4月下旬に、6階南側に新しく(一社)電気通信協会様が入居されます。また、昨年来からの「現役世代に向けた企画」にも力を入れていきます。先日、「国際競争戦略プラットフォーム4・0」を開催しました。講師にシリコンバレーを拠点に活躍する東工大出身の米ベンチャーキャピタリストを迎え、一橋大学の藤川准教授のコーディネートの下、興味深い講演会と会場を巻き込んでの活発なパネルディスカッションで、盛り上がりました。今年度もこうした試みを続けたいと思っています。

事務局体制も変更がありました。総務グループの長瀬英樹課長が3月末で定年退職しました。主に会館の管理運営を中心とした16年間の如水会への貢献に改めて感謝したいと思います。後任には長島康之課長が就任します。また、東京會舘でも16年に亘って如水会館の総支配人を務められた宮岡成治総支配人が、同じく3月末で退任されました。本当に長きに亘ったご尽力に、深く感謝の意を表したいと思います。後任は岡田威総支配人です。引き続き皆様のご指導ご鞭撻のほどをよろしくお願いいたします。(事務局長)

平成29年3月号

先日、久しぶりに植樹会の津田会長、西村副会長とゆっくりお話しする機会がありました。植樹会は現在の会員数が、個人、団体合わせ1500名。国立キャンパスの「武蔵野の森の復元と維持のための環境の整備」をコンセプトに、OBOG、学生と教職員が力を合わせ、毎月の作業日には約150名が参加して、キャンパスの環境整備を続けています。目下の課題は、年々進行する「松枯れ」対策です。かつて2000本あったと言われる赤松は、現在250本まで減少しています。松喰い虫の駆除には薬剤の植幹注入が必要ですが、費用は1本3万円。今年度大学と植樹会が費用を折半し、89本に対策を行いましたが、まだ160本の未対策の松が残っています。

最近「一橋大学のアイデンティティ」とは何か、と考えることがよくあります。商法講習所の精神は「五大州に雄飛するビジネスマンの養成」です。大正、昭和の時代には、「反官僚、自由主義、リベラルアーツの殿堂」もアイデンティティだったと思います。

それでは21世紀を迎えた今、一橋大学のアイデンティティはどこに定められているのでしょうか。「グローバル経済社会の発展に資する研究と教育」は、いまや誰しもが目標に定めていて、他と際立って自らを規定するものとなりえません。いわば必要条件であっても、十分条件ではありません。一つの時代のアイデンティティの形成には、多くの人々が容易に理解でき、かつ賛同を得られるような、「骨太な」目標設定が必要でしょう。狭い意味での研究、教育に止まらず、一橋大学という存在全体が目標を体現するというような目標設定はできないでしょうか。

21世紀の人類社会を考えるとき、社会科学の総合大学として目標に掲げるべきテーマはいくつも考えられます。例を一つ挙げれば「持続可能な経済社会の構築」です。この問題で言えば、一橋大学が誇る緑豊かなキャンパスもその象徴と位置付けるというような考え方、取り組みです。ポイントは、思想や理念は研究室、教室の中だけで生まれるものではないということです。「実学」という伝統の本来の意味も、「人間の営みの全てから発想し、考える」ということにあるのではないでしょうか。

キャンパスに魅せられて志望を決めた人は数知れませんが、それはまだ研究、教育とは切り離された景観としての魅力という捉え方に止まっています。緑豊かなキャンパスの中で、持続可能な経済社会に関する数多くの優れた研究や論文が生み出され、その空気の中で育った学生たちが21世紀の社会のあらゆる分野で持続可能な社会の実現に大きな貢献を果たすというような姿は、私だけの「夢」でしょうか。(事務局長)

平成29年2月号

今年の年始は、いつになく穏やかな、暖かい気候に恵まれました。激動の予感が渦巻く年が、静かに幕を開けたということでしょうか。その中で年末から心を痛める事件が起きています。フランスに留学中の、筑波大学女子学生の行方不明事件です。一橋大学でも、今年度は110名の交換留学生が世界各国の大学に留学しています。他人事ではない事件です。一橋大学の留学生にはこれまで深刻な事件は起きていませんが、一日も早い解決を待つばかりです。

昭和62年から始まった一橋大学の「海外派遣留学制度」は、現在留学中の学生で制度開始30年となりました。これまでの留学生数は、計1121名に上ります。留学の往復旅費と一年間の生活費を補助する、他に類を見ない手厚い留学制度ですが、これを支えてきたのは如水会と明治産業株式会社、明産株式会社の30年間にわたる寄附です。

明治産業株式会社は、昭和8年創業の自動車部品の専門商社です。昭和62年から如水会の寄附によって一橋大学の海外派遣留学制度が発足したとの新聞報道を目にして、創業者の島村定義氏(昭2門)の意志を継いだ3代目の竹内氏が、一橋大学に申し出られ、翌年から明治産業株式会社の寄附をお受けするようになりました。島村氏は大変な苦学の末、東京商大を卒業され事業に成功されたため、母校への思いが強く、また奨学金制度に強い関心を抱いておられたので、同社の創業55周年記念事業として、これに優るものはないと確信されたとのことです。以来、毎年1000万円の寄附が寄せられ、今年でその総額は計3億円に上ります。改めて長年にわたる明治産業株式会社の援助に、深く感謝を申し上げたいと思います。

如水会は、第1回2000万円からスタートし、現在は年間4000万円を寄附しています。派遣費用は平均一人約100万円です。如水会と明治産業株式会社の寄附を合わせて5000万円で約50人が、そして文科省の特別予算等で50人強が留学できていることになります。

留学の最も重要な意味は、言うまでもなく「世界の多様性を肌で実感してくる」ことでしょう。わが国でも、多様な国籍の社員を雇用する企業が少しずつ増えてきていますが、世界の主要な企業、最先端を行く企業や組織では多国籍人材の登用は当たり前のようになっています。経済社会の世界では公用語とも言える英語で意思を通じ合い、違いを認め合ったうえで、解を見つけ出していく力は、21世紀の「キャプテンズ・オブ・インダストリー」を目指す若い世代に不可欠なものでしょう。そこには冒頭に記したような危険も潜んでいますし、リスクもあります。しかし、それを越えて人類の存続の解を見つけるという大きな目標に向けて、一人でも多くの前途ある一橋生が育まれることを願っています。(事務局長)

平成29年1月号

新年あけましておめでとうございます。会員の皆様も、改めて新たな決意を胸にされているのではないでしょうか。事務局もまた、「皆様のご健勝と一橋大学の発展」に全力で当たる決意を新たにしています。本年も、どうぞよろしくお願い致します。

昨年「一の酉」の日に浅草鷲神社に参拝し、一橋大学の発展と如水会の繁栄を祈願して、熊手を買い求めてきました。巻頭のグラビアページに写真をご紹介していますが、如水会ビル14階ラウンジの入り口右手上に飾りました。縁起物です。是非一度ラウンジにお出でになり、熊手をご覧いただければと思います。

さて、2017年の世界はどう変わるのでしょうか。世界は「求心力」から、「遠心力」のベクトルに変わる分岐点に差し掛かっているのでしょうか。戦後世界の枠組みの変更にもつながる動きなのでしょうか。

戦後「日米基軸」を国是ともしてきた日本も、大きな岐路に立たされることになるかもしれません。政治・外交という分野に止まらず、経済・社会にも大きな影響を与えるものにならざるを得ないでしょう。目が離せないのは、世界と同様に日本の政治でもあります。人々が安心して暮らせる国創りを願うばかりです。

如水会は、昨年に引き続き「将来を見据えた基盤の強化」に取り組みたいと考えています。第1は、財政基盤の強化です。如水会ビルオフィスフロアの空室部分の解消が、喫緊の課題です。同時に、将来にわたってこの如水会ビルの価値を維持するリニューアルも視野に入れる必要があると思います。

第2は、情報基盤の整備です。如水会は3万人余の会員情報システムを持っていますが、既に耐用年数を過ぎており、次世代のシステムに更新する必要に迫られています。セキュリティに十分配慮した新システムの構築を急ぐと同時に、情報を生かして新しい活動につなげていく取り組みも考えていきたいと思います。同時に、本誌のデジタル化も進めていきたいと考えています。

第3は、新会員の加入促進に取り組みます。昨年11月から「入会キャンペーン」を始めていますが、改めて皆様のお力添えをお願い致します。

第4は、平成世代の参加です。昨年独身者限定の「如水コン」を企画し、好評をいただきました。今年は平成卒業生の会主催で、「異業種交流会」も企画しています。社会の第一線で活躍する現役世代を応援する活動に、力を入れていきたいと考えています。

第5は、内外135支部の活動の支援です。支部ネットワークは、如水会の重要な基盤です。全国支部長会議も3月11日に予定しています。近隣支部や蔵前工業会との交流など、「横の連携」も増えてきています。こうした取り組みを始め、衆知を集めた活性化策を考えていきたいと思います。

皆様のご指導ご鞭撻を、よろしくお願い致します。(事務局長)

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